日時     KIN 83  倍音の月(23)12:42:55 (2006年12月7日)

『のだめカンタービレ』が、今日の新聞、ワイドショーで、

大きく取り上げられている。

実は、いつも、観ている。

今回も、HDD で 前回の『のだめカンタービレ』を観て、

娘と一緒に、涙・・・・

音楽の力、

その音楽の力を生み出そうとする、営み・・・

そこに、根源的な宇宙生成のエネルギーを感じるのだと思う。

大学院の時代に、チャイコフスキーの 悲愴 を

レコードが、擦り切れるぐらい、毎日聞いた。

小さなアパートに不釣合いな、4チャンネルの

応接セット用の巨大なスピーカーで、聞いていた。

クラシックと、自分の責任において最初に関わったのは、

震災の後、サントリーホールで行った、

チャリティ・コンサートを企画し、プロデュースした時だ。

何かをしたい、みなさんが思ったと思う。

その思いを、顔見知りのアーチストの方に伝え、共振していただいた。

市川團十郎、ヴァイオリニストの海野義男、フルートの神埼愛、

パイプオルガンの井上圭子、・・・・

声をかけた人、7人全員が、

サントリーホールが奇跡的に空いていた震災の49日目の3月6日、

スケジュールが大丈夫で、

しかも、主旨に、共振していただいた。

演出を考えつつ進めた、そのリハーサルで、

フルートの神崎さんが、立つ位置が、2メートル違うと、

音の響きが変わることを知る。

サントリーホール自体が、楽器であること。

そして、観客が入ると音が変わること。

そんなことを含めて、鎮魂と再生の思いを、

サントリーホールに集まった、2000人の人々が

芸術を通して、心をひとつにし、『祈り』の空間を形づくることによって

この場に『癒し』と『励まし』の大きなエネルギーが生まれる

ために、企画し、プロデュース、創造しました。

仕事でなく、お金のためからでなく、

純粋に、思いから、

思いから、宇宙につながる思いから、

創造、プロデュースした、最初のコンサートだったと思います。

演出の趣向は、

「天下泰平、国土安穏」を祈願する儀式的な舞踊、「式三番」。

今回は、まず、井上圭子のパイプオルガンによる、バッハの「幻想曲」が、

荘厳な空間をホール全体にかもしだし、さらに、神埼愛のドビュッシーの

「シランクス」が呼び笛となり、團十郎の翁、尾上松助の千歳、中村橋之助

の三番叟が登場する、という演出。

サントリーホールに、舞台用の板を敷き詰めたのは初めてで、この後、

梅若六郎氏の能などが、サントリーホールで行われる先鞭をつけたと、

後に、ホール関係者から聞く。

式三番の元になる、能の「翁」は、後に、京都、満月祭り 9.11平和祈願の

薪神事能として、平安神宮で、梅若六郎さんと行いことになるのだが、

このときの、「式三番」の團十郎の翁が、その深い意味に触れるきっかけだった。

観阿弥、世阿弥が、能を大成したのが14世紀。ちょうど、14世紀にヨーロッパで

パイプオルガンの音楽が始まる。

そして、「式三番」は、元禄時代に能の「翁」から歌舞伎のだしものとしてつくられ、

演じられるようになるのも、西洋では、バッハによってオルガンの黄金時代がうまれ

るのも、18世紀である。

ドビュッシーは、ご存知のように日本文化に影響を受けた音楽家である。

 

東西の芸術が、歴史上の符号をともなって交錯する。世界が関心を示す今回の震災への

「癒し」と「励まし」の祈りが、強く、大きく、広がることを願っての内容。

そして、クラシックの演奏者は、それぞれの思いをこめた演奏を、

思いをこめられる曲を選んで、』アヴェ・マリアが、木魂した。

このときに書いたパンフレットの文章の一部から、

被災者への方への精神的な支援をさしのべたいというのが、今回の呼びかけの趣旨です。

本来、祭りや芸能は、その祈願も含めて、人々の精神的なバランスを取るための社会(

村)のシステムとして大きな役割をはたしてきたと言われております。

祭りが観光化し、コンサートがチケットの売り上げのみで評価される今、

人間の精神と芸術との直接的な関わりが、見えづらくなっているのかもしれません。

しかし、芸術がもつ、

人間精神へ与える多大な影響の大きさを、誰も否定することはできません。

芸術は人間の精神そのものが生み出し、人間の精神に直接訴えかけるものだからです。

芸術を通して、心をひとつにし、『祈り』の空間を形づくることによって

この場に『癒し』と『励まし』の大きなエネルギーが生まれることを期待します。

そして、それが、社会に、そして、宇宙にひろがってゆくことを心から願います。

音楽のもつ、芸術の持つ、本来の役割と力。

それを、ドラマでさえ、呼び起こしてくれます。

祭りを再生することも、含めて、

この音楽への共振が、社会の再生につながるのか、ただのブームで終わるかは、

実は、今、生きている人の意識の形による。

その意識の形を、揺さぶり、

宇宙に通じる意識を、呼び起こそうとしているから、

コズミック・ダイアリー・セミナーの意味がある

ということも、感じて欲しい。

Universal love and in lak’ech!

 

Comment(コメント)

flower-heart

KIN 84  黄色いリズムの種 倍音の月(24)13:16:05 (2006年12月8日)

コミュニケーションは創造である。

コズミック・ダイアリー講師養成講座での言葉を今一度

思い返しています。

意識を揺さぶる芸術的なセミナーを志していきます。

Kin 83 青い倍音の夜

柳瀬 宏秀

KIN 93  赤い月の空歩く者 リズムの月(5)09:15:22 (2006年12月17日)

flower-heart さん

お互いに、ご一緒に、切磋琢磨していきましょう。

Universal love and in lak’ech!