KIN 214 磁気の月(6)13:58:52 (2006年7月31日)
磁気の月の6日
KIN214 白い律動の魔法使い
朝、オペラ座近くのホテルのそばのパン屋で、クロワッサンとカフェオレを。パリのカフェでの定番と30年前に聞いて食べた、パリの朝食を久しぶりに。
オペラ座を見学。天井画がシャガールなのを初めて知る。真四角の絵葉書を13枚、小淵沢でのリーダー会議の参加者へのお土産に買う。
デヴ・オーラで、シャガール美術館の話が出て、30年前にモンペリエのポール・ヴァレリー大学。そこはノストラダムスが医学を学んだ大学だが、そこに遊学に行ったときに、
新聞でシャガールの記事が出て、ニースにシャガール美術館があることを知り、大学の休みの週末に電車でニースまで行った。少し郊外の住宅なかにあったと記憶しているシャガール美術館の音楽堂のステンドガラスを思い出す。
そのときに聞こえてきた音楽をイメージして「青の光色」という文章を書いたのが、初めて雑誌に書いた文章だった。そんなことをオペラ座という音楽堂で、奏でられる音楽を観じながら思い出す。
13の数字にカルティエがかかわっているという雑誌の記事から、どうしても、その作品を見たくて、ブランド店にパリで行くという初めての体験をした。
オペラ座からカルティエまで歩き、ぺ(平和)通り13番にあるカルティエに入る。
CARTIER
13RUE DE LA PAIX
PARIS
一番格が高そうなマダムに、13の数字にまつわるカルティエの作品について、尋ねる。
コーヒーをご馳走になり、その親しくなったカルティエのマダムに、13の数字にまつわるカルティエの作品をみせてもらう。残念ながら、デザインの13があまり、気にいらなったので、購入できなかったが、カルティエのなかを案内してもらう。
アムステルダムへの飛行機が、遅れ、パリの空港で2時間以上待たされることに。
アムスに着くと、ダム広場で遅い食事を取りながらビールを飲んで散歩をすると、運河に出くわし、飾り窓に出くわす。町の中心のしかも、教会のまわりに、氾濫する商品としての女性と、そのまわりを平気で人々が闊歩し、食事をし、アベックで散歩している。一流ホテルの裏が、すでに、人生の聖も、性も、俗も、混濁した港町の現実に、かなり疲れを覚える。
25年前に、カミュについての修士論文を書いた後、カミュの小説「転落」の舞台のアムステルダムをその作品の流れで訪れたとき、この運河沿いで、何かに震えたことを思い出す。そして、今回黒人の女性に声をかけられたときに、一度、そして、もう一度、30年前のときと同じ震えが体の芯を走る。
その黒人の女性の放つ人生への偏ったエネルギーが突き刺さるかのような、そのエネルギーで、13世紀から発達してきたこのアムステルダムの、というより、世界の都市のひとつの否定できない人間の想念のようなものが、貫いてきたのかもしれない。
へとへとに疲れてホテルに戻る。
オーラ・ソーマで、何日目かに、マイクの指示でボトルを選び、プレゼントされた1番のボトルが、上部が白濁しているように感じる。
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